穂高屏風岩・雲稜ルート 穂高屏風岩・雲稜ルートを完登した。 これまで北ア系では、前穂四峰・Dフェース、北穂滝谷、錫杖など の岩場をほんの少しだけかじってきたが、穂高の巨岩「屏風岩」 は1本たりとも登る機会がなかった。 今夏、この屏風岩に豊富な経験と実績を持っているK城さんと登攀 する幸運に恵まれた。幾多のクラシックルートが展開されるこの 穂高の巨岩のなかでも、今回挑んだ「雲稜ルート」は、紛れもなく 国内有数の一大「クラシックルート」といえる、と思う。 このルートを半世紀前に開拓された先人に畏敬の念を禁じ得ない。 各ピッチごとの詳述は他のガイド本をご参照頂くとして、割愛するが、 1P前傾気味の大凹角をステミング、アームバーを駆使して登る。 2P目のピナクルtoピナクルはA1をフリーで、かなり困難。3Pボルト 連打の垂壁をA1。左カンテを直上し右へアブミトラバース。 見下ろす遥か眼下の梓川、横尾山荘。ハイカーが米粒のごとし。 アブミからフリーへの展開。高度感満点の微妙なスラブ壁。 どれも極度の緊張感を強いられたと告白せざるをえない。 登攀終了後の握手に、安堵感と充実感が溢れた。 ここ登るには登攀力はもろん、技術経験気力、そしてなにより 強固な「意思」と「体力」が必要だろう。 (え、また登るかって? ウーンあの「経年劣化」の残置シュリングがなあ。。) ・データ 4:00横尾発〜5:30T4尾根取付〜9:00扇岩テラス〜13:30登攀終了 15:00屏風頭〜16:15涸沢〜18:30横尾
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