2007年、静かなそして美味しい正月を迎えた。
八ヶ岳地獄谷から簡単なレポートを。
1. ルートは天狗尾根。当初、権現東稜の予定だったが、
両者の足の具合、積雪の状況からリーダー判断で急遽変更した。
（山行管理部長どの、ご了解のほど）。
天狗は登攀自体の困難度は低いものの、雪稜、岩稜そして
青空のスカイラインに抜ける標高差1000mのボリューム感ある
クラシカルルート。
2.上の権現沢は、何本かの小滝を登攀し、クライマックスは
中間部左俣の「夢幻大滝」35m。20m地点まで登り上がるが、
多少柔らかめに凍結した凸状氷壁を越えられず、
二回ほどスリップ。何とか右手アックス1本で必死に滑落を
防ぐも、戦意喪失。敗退。
3. 大晦日は豪華な夕食となった。栗田さん差入れの特注
「和牛ヒレ霜降りステーキ」をなんと1kg。口に含むと、
とろける和牛を半レアで、存分に堪能した。
(アア、ビールが胃袋に染みる)。
栗田さん、来年の正月もご一緒願います。
4.それにしても、八ヶ岳東面は静かだ。当会の他、
3パーティーのみ。それも離れ離れにテントを張っているので、
静寂そのもの。
本来、正月の山はこうあるべきだろう。
5.最後に、「神戸の(学生？)2人パーティー」にお礼を申し上げます。
彼らは前日天狗に入り、猛烈なラッセルのため、
当日中に帰還できず、キレット付近で雪洞ビバーグ。
我々がこの時期に天狗に登れたのは、実力でも何でもなく、
実は彼らのトレースがあったから。
冬山もピーカンでトレースがあれば、誰でもカンタンに登れるし、
どこでも下降できる。しかし、冬山にいつも
「ピーカンとトレース」がセットされていると期待してはいけない。
いつ自然の牙が向くか分からないのが冬山。
冬山はdangerousだということを忘れてはいけない,
と自戒を込めて思う。